第208回通常國會が1月17日に召集されます。本格論戦が期待された昨年末の臨時國會では、月額100萬円の「文書通信交通滯在費」の問題が浮上し與野黨ともに見直しを主張していました。しかし、與野黨間で折り合いがつかず結局は法改正は見送られることに。有権者からは「身を切る改革はどうなった」「経費削減はどうしたのか」など批判的な意見が目立っています。
1月17日,第208屆通常國會(常會)召開。去年年末臨時國會上備受期待的正式論戰中,針對每月100萬日元的“文件通信交通住宿費”問題,執政黨與在野黨均支持重新評估,但雙方並未達成協議,最終導致法律修改擱置。選民紛紛批評道“犀利改革如何了”“削減經費怎麽樣了”。
各黨は議員報酬に切り込めるのか
各黨會削減議員工資嗎
2021年10月31日の衆議院選挙後に「満額」が振り込まれたことにより「文書通信交通滯在費」を巡る問題は、連日メディアで報道されました。その後は、與野黨ともに「日割り」にするだけで決著をつけようとする姿勢が強く見受けられます。
由于2021年10月31日衆議院選舉後支付“全額”費用(無論在職幾日均能領取整月工資),媒體接連幾天都在報道“文件通信交通住宿費”。其後,執政黨與在野黨似乎都在試圖簡單地用“按日結算”解決問題。
「文書通信交通滯在費」の問題は日割りではなく「報告・領収書提出義務」がないことです。使途の公開義務まで議論が進まなければ何ら意味はありません。
“文件通信交通住宿費”的問題不在于按日結算,而在于無需“提交報告與發票”。如果不能公開用途,那麽討論就毫無意義。
現在、新型コロナウイルスの感染拡大による國民生活への影響を踏まえて、國會議員の歳費(給與)は2割削減されています。改正歳費法による期間は2022年7月末とされています。しかし、月額129萬4000円の歳費から25萬8800円が減額されたにすぎません。
目前,鑒于新冠肺炎傳播擴散對國民生活的影響,國會議員歲費(工資)被削減了兩成。歲費修正法案的規定期限至2022年7月末。但是,每月1,294,000日元的歲費僅減少了258,800日元。
年間支給額は約1200萬円以上、年2回の賞與(年間約600萬円)、先送りされた文通費は年間1200萬円、立法事務費は780萬円などを加算すると軽く3000萬円は超えて4000萬円に屆く金額になります。
每年發放約1200萬日元以上,每年2次獎金(一年約600萬日元),推後的文件通信交通住宿費每年1200萬日元,立法事務費爲780萬日元,將這些加到一起,輕松超過3000萬日元(160多萬人民幣),接近有4000萬日元。
新幹線のグリーン車を含めたJR線はすべて無料、航空券も月に4往復分が無料になります。政黨からの支給、役職に応じて黒塗りの車もあてがわれます。さらに、秘書3人を雇用することができ、これにかかる費用も國から支給されます。秘書給與に関する費用は年間2000萬~3000萬円ともいわれています。
JR線(包括新幹線綠色車廂)全部免費,飛機也有每月四次免費往返。政黨也會按職位分派黑色的車,而且能聘用3位秘書,這部分費用也由國家支付。據說秘書工資相關費用每年需2000~3000萬日元。
議員會館の賃料は無料、議員宿舎には格安で居住することができます。2014年に賃料引き上げをおこないましたが、周辺相場の2割程度で借りることができます。24時間體制の警備がほどこされセキュリティは萬全です。部屋から緊急通報のボタンを押せば數分でスタッフが駆けつけます。
議員會館免租金,議員宿舍也很便宜。雖然2014年漲了租金,但租房子還是可以以周圍市價的20%成交。有24小時警衛,安保完善,按下屋內的緊急按鈕,幾分鍾就有工作人員趕來。
國會中継を見ていると、居眠りしている議員も少なくありません。夢心地の間にお金を稼ぐことができる仕事はほかにはないでしょう。そのため、議員報酬のあり方や経費のつかい方に違和感を覚える人が多いのです。
國會直播時有不少議員在打瞌睡,再也沒有這種在睡夢中就能掙錢的工作了吧。因此,很多人都對議員工資情況、經費用途感到費解。
また、日本の國會議員は世界最高水準の歳費を受け取っていると言われています。世界的にどの程度のランクにあるのでしょうか。
而且據說日本國會議員的歲費是世界最高水平。世界排名是怎麽樣的情況呢?
世界議員報酬ランキング
世界議員報酬排名
議員報酬ランキング10位は次のとおりです。イギリスのLOVEMONEY.COM の調査「This is what politicians get paid around the world」を參照しています。調査時期(2019年)は1ドル=110円であることから同水準で算出しています。
以下是議員工資排名前10名,參照英國LOVEMONEY.COM的調查“This is what politicians get paid around the world”,調查時期(2019年)時1美元=110日元。
1位 シンガポール 88萬8428ドル(約9772萬円)
第一名 新加坡 888,428美元(約9772萬日元)
シンガポールの議員報酬は世界最高水準です。批判にさらされることもありますが、政治家は政治の質を維持するために必要だと弁明しています。
新加坡的議員工資是世界最高水平。雖然飽受批判,但解釋說政治家需要維持政治品質。
2位 ナイジェリア 48萬0000ドル(約5280萬円)
第二名 尼日利亞 480,000美元(約5280萬日元)
ナイジェリアの議員報酬も世界最高水準といえます。シンガポールと異なる點は、國民の多くが2ドル/日で生活している點です。
尼日利亞的議員工資也被稱爲世界最高水平,但與新加坡不同的是,其大多數國民每日生活僅需2美元。
3位 日本 27萬4000ドル(約3014萬円)
第三名 日本 274,000美元(約3014萬日元)
改正國會議員歳費法が適用されて2割がカットされていますがそれでも高い水準です。各種手當を含めると世界1位の水準になります。
雖然由于國會議員年度費用修正法案被削減了2成,但依舊是高水平工資。如果涵蓋各種補貼,那麽應該是世界第一。
4位 ニュージーランド 19萬6300ドル(2159萬円)
第四名 新西蘭 196,300美元(2159萬日元)
2021年から、アーダーン首相は、全閣僚、官庁の責任者の給與を2割削減しています。それでも、議員報酬は高水準です。
2021年起,內閣整體、政府機關負責人工資被阿德恩首相削減了20%,但即便如此其議員工資也很高。
5位 アメリカ 17萬4000ドル(1914萬円)
第五名 美國 174,000美元(1914萬日元)
上院議員、下院議員ともに同額です。しかし、2010年以降、下院議員は昇給に反対票を投じていることから2009年以降も給與水準はかわっていません。
上議院、下議院相同,但2010年後下議院反對加薪,因此2009年後工資水平就不再變化。
6位 オーストラリア 14萬1300ドル(1554萬円)
第六名 澳大利亞 141,300美元(1554萬日元)
オーストラリアの議員報酬は2016年以降、毎年2%上昇しています。上院議員はテレビ番組で報酬を高いと思わないと主張し物議を醸したことがあります。
2016年後,澳大利亞的議員工資每年上漲2%。上議院議員曾覺得上電視節目工資不高,引起衆人議論紛紛。
7位 イタリア 14萬3352ドル(1576萬円)
第七名 意大利 143,352美元(1576萬日元)
歐州でもっとも議員報酬が高額な國として知られていましたが、2018年に、反體制派のポピュリスト黨である5つ星(※)が政治家の年金を標的にして勝利しました。
歐洲議員工資最高的國家,但2018年反體制派民粹主義政黨五星運動將政治家年收當靶子並取得勝利。
(※)五つ星は、2009年10月に人気コメディアンのジュゼッペ・ピエーロ・グリッロと、企業家・政治運動家のジャンロベルト・カザレッジョによって結黨された。
五星運動黨創始于2009年10月,創始人是意大利著名喜劇演員貝佩·格裏洛和其企業家、政治運動家吉安羅伯托·卡塞雷吉奧。
8位 ドイツ 13萬3279ドル(1466萬円)
第八名 德國 133,279美元(1466萬日元)
歐州ではイタリアに続く2位の高額議員報酬です。個人で秘書を雇った場合はその人件費として最大23萬9000ユーロ(約3100萬円)が支払われます。
繼意大利後,議員高工資排名歐洲第二。如果聘用個人秘書,工資最多可支付239,000歐元(約3100萬日元)。
9位 カナダ 13萬0710ドル(1437萬円)
第九名 130,710美元(1437萬日元)
上院議員、下院議員ともに同額。上院議員は総理大臣の推薦により任命されます。下院議會議員は、4 年に1度行われる連邦選挙の際に一般市民から選出されます。
上議院與下議院相同,上議院由總理大臣推薦任命,下議院議員每4年聯邦選舉時從普通市民中選拔。
10位 オーストリア 11萬7903ドル(1296萬円)
第十名 奧地利 117,903美元(1296萬日元)
歐州では、イタリア、ドイツにつぎ議員報酬が高額です。オーストリアの平均年収は約558萬円で議員は國民平均の2.8倍の報酬を得ています。
繼意大利、德國後,議員工資歐洲第三高。奧利地的平均年收約爲558萬日元,議員工資約是國民平均的2.8倍。
このランキングでは議員に支払われるものを議員報酬と定義しています。日本の基準(月額歳費+賞與+文通費)にならいました。たとえば、立法事務費780萬円は個人ではなく政黨に支払われるものですから除外しています。
此排名將支付給議員的資金定義爲議員工資。日本標准指的是每月歲費+津貼+文件交通住宿費。例如,780萬日元的立法事務費不給個人而是給政黨,因此不包含在內。
お手本にしたいイギリスの仕組み
以英國的組織機制爲範本
日本はイギリスと同じ議院內閣制ですがウェストミンスター・システムとも呼ばれるイギリスの政治形態は參考になります。上院は貴族院と呼ばれ世襲によって構成されてきましたが現在は大幅に削減され無報酬を踏襲しています。議員は名譽職の位置づけて資産があるため無報酬なのです。
雖然日本與英國同樣是議員內閣制,但英國的政治形態被稱爲威斯敏斯特體系,值得參考。上議院也被稱爲貴族院世襲,如今已經大幅削減沿用無薪形式。議員給予名譽稱號,本身有資産,因此無報酬。
下院は基本給に手當が加わりますが、各議員が実費精算することから內容が異なります。議員1人ひとりの手當や使いみちは詳細に公開され、誰でも閲覧できるようになっています。
下議院有基本工資,也有津貼,各議員根據實際開支結算,因此內容各不相同。詳細公開每位議員的津貼和用途,大衆均可查看。
過去には、イギリスでも議員の出費が不透明だった時代がありました。2009年に多くの不適切な経費請求が相次いで発覚します。イギリスの新聞、デーリー・テレグラフは、全國の646人の議員のうち、200人以上の不適切な経費請求を明らかにします。議員は國民から強い反発を受けました。
過去,英國也有議員開支不透明的時代。2009年各種不當經費請求接連暴露,英國報紙《每日電訊報》披露了全國646位議員中200多人的不當經費申請,議員遭到公衆強烈反對。
その後、ルールが厳格化され、現在ではすべて公開が義務付けられています。議員がどのように稅金を使っているのか厳しく問われるようになりました。
從那以後,規則更加嚴格,如今所有費用均需公開,嚴格調查議員的稅收用途。
議員は國の代表ですから、相応の報酬があることは然るべきと考えます。しかし、それは國民の血稅です。稅金によって支払われる以上、議員の仕事に見合うかどうかを國民1人ひとりが注視して吟味すべきではありませんか。日本で、報酬の使いみちがガラス張りになる時代はやってくるのでしょうか。
議員是國家的代表,獲得相應的工資也是理所應當的,但稅收是民衆的血汗錢。只要使用稅收支付,就需要每位民衆審視其是否符合議員的工作,這難道不是理所應當的嗎?日本也將迎來工資用途透明化的時代了吧。
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